高校受験

行ける高校がないと先生から言われた

私の地域の中学校は、中学1年生も2年生も3年生も、先生と生徒と保護者との3者面談があります。中1の間は進路の話、すなわち高校進学の話はほとんどしないのですが、中2になると生徒によってはぼちぼち進学の話も出てくるそうです。

特に成績のよくない生徒の面談で、進学の話がなされるようです。そんなとき、先生が保護者や生徒に告げるセリフが「今のままだと行ける高校がないから、もっとしっかり勉強に取り組みましょう」というものです。私の地域では県立高校で偏差値の低いところは普通高校でも定員割れをしているので、行ける高校がないというのはありません。どこでもいいというのなら通学時間が40分ぐらいで通える高校はあります。

そして別段、学校が荒れているわけでもありません。学校の先生はもっと勉強してほしくて、危機感を持ってほしくてそういう言い方をするのでしょう。けれども、高校の進学状況についてほとんど持たない保護者や生徒にはこのセリフは堪えます。行くところがないといわれて、その子が通っている塾に、つまり私のところに相談にきます。「中卒では困る」と。

私はとりあえず行ける高校は1つか2つはあることを教えます。私立高校に通わせるだけの経済的余裕があるならさらに選択肢があることを教えます。別段荒れているわけでもなく素行の悪い連中のたまり場にもなっていない普通の私立高校で、中1の正の数負の数の足し算引き算ができない子でも合格できるのです。学校の定期テストが300点の平均点で130点しか取れない子でも、県立や私立の高校に妓うかくして通っています。

保護者は安心しますが、それでは「塾に通わなくてもいいかな」なんて気分にもなりかねないので中学校の先生のフォローをします。
「行ける高校がここしかないからここに通うというのと、行ける高校は5つも6つもあるけど自分はここが気に入ったからここを選ぼうというのでは、高校に進学したあと、その高校への愛着という点で随分違います。やはりしっかり勉強して、成績を上げて、仕方なくこの高校に通うという事態を避けていった方がいいでしょう。学校の先生もそういう気持ちがあるから、行ける高校がないよとはっぱをかけたんだと思いますよ」と。

どの都道府県でも、成績が悪くて行ける高校がないというのはまずありません。もし中学校の先生に面談でそう言われたら高校の偏差値や自分の子の成績をチェックするといいでしょう。