中学生の勉強

「中学生理科」優性遺伝と劣性遺伝を血液型で考える

私たちが普通、血液型という場合、それはABO血液型をさします。この血液型はA型・B型・O型・AB型の4種類に分類されます。血液型占いでおなじみのA・B・O・AB型です。血液型はこの4種類と思われがちですが、実はもっと細かに分類できます。

A型がAA型とAO型に分けることができ、B型がBB型とBO型に分けることができるのです。そしてO型はOO型の一種類だけです。つまり、血液型はAA型、AO型、BB型、BO型、OO型、AB型の6種類からなっているのです。
ところで、輸血のとき異なった血液型を輸血することはできません。A型にB型を、B型にA型を輸血はできません。けれどもAA型とAO型を輸血し合ったり、BB型とBO型を輸血し合ったりすることはできるので、AA型とAO型を普段は区別していないのです。BB型とBO型も同様です。

このAA型やAO型はdぽのようにして生じるかというと、それは遺伝の考えによって説明できます。

AO型、AA型、BO型、BB型、OO型、AB型のうちの、A、B、OをA遺伝子、B遺伝子、O遺伝子と考えます。この遺伝子を人は誰でも2つ1組で持っています。A遺伝子とA遺伝子を持っていれば、AA型となり血液型としてはA型です。A遺伝子とO遺伝子を持っていればAO型となり、血液型はA型となります。A遺伝子1しつか持たなかったり、あるいはAとOとBの3つを持つことはありません。必ず2つです。
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そして、この2つの遺伝子には優性と劣性があります。この優性は、よく誤解されているのですが、優れているから優性というわけではありません。また劣っているから劣性というわけでもありません。外面に現れている遺伝子が優性、外面に現れずに隠れているのが劣性です。AO型の場合、A遺伝子が外に現れ、O遺伝子は隠れています。それでAO型とAA型は表面上はどちらもA型ということになり、AO型とAA型は輸血しあうことができるのです。Aが優性遺伝子でOが劣性遺伝子です。O遺伝子はB遺伝子に対しても劣性です。B遺伝子とO遺伝子の2つを持つ場合はBO型になりますが、優性であるB遺伝子が外に出てO遺伝子が隠れるのでB型になります。O遺伝子とO遺伝子を持つ場合は、OO型です。この場合はO遺伝子は隠れようがないので血液型はO型になります。そしてAB型ですが、A遺伝子とB遺伝子は優性どうしなのでどちらも隠れません。AもBも外に出るのでAB型となるのです。

優性と劣性についてもう一度言いますが、A型の能力が優れた何かを持っている、O型の能力が劣っているというわけではありません。外に出れば優性、隠れれば劣性なのです。

そしてこの2つの遺伝子のうち1つだけが、親から子に伝えられます。父親がAO型の場合、A遺伝子かO遺伝子のどちらかが子に伝えられます。Aが伝わるかOが伝わるかは2分の1です。母がBO型の場合、BかOのどちらかが2分の1の確率で伝わります。子はどちらか1つずつを親からもらいます。この場合、例えば父からA遺伝子、母からB遺伝子をもらえば、A遺伝子とB遺伝子が組み合わさったAB型になります。父からO、母からもOをもらえば、OOとなり、子はO型になります。

ここでちょっとした意外な事実がわかります。

両親がどちらもA型なら子も必ずA型で、それ以外の血液型にはならない。もしも子が他の血液型ならば、それはどちらか親が血のつながった親ではないと言われたりします。A型の親とB型の親なら、子はA型かB型、または両方が混じってAB型だし、O型の子は生まれないと。

けれどもこれは間違っています。組み合わせによっては両親と違う血液型になることもあります。
両親がA型どうしでも、AO型とAO型ならば、子はAA型、AO型、OO型の3種類が考えられます。AA型とAO型は表面はA型ですが、OO型はO型に分類されます。つまり親はどちらもO型でないのに子はO型になることがあるのです。B型どうしの場合も、BO型とBO型の親からは、BB型、BO型、OO型が考えられます、AO型の親とBO型の親だと、子はAO型、BO型、AB型、OO型の可能性があり、外見はA型、B型、O型、AB型のすべての血液型の可能性があるのです。