中学生の国語

高校入試の国語の作文問題の書き方

都道府県立高校の国語の入試問題では、200字程度で作文を書かせる問いが出題されることが多いです。その作文の問いで高い得点を得るために心がけることを述べます。

短い時間で作文を書かなければならない

国語の問題内で大問として出題された作文を解く時は、時間に留意することが大切です。国語の入試問題は時間が40分から50分です。公立高校の出題構成は、読解問題の大問が2つ、古典が1つ、国語知識や文法の問題が1つ、作文が1つというのがほとんどです。作文以外の問題を30分から40分で仕上げ、作文に10分ほど時間を充てるという割り振り方をするのが良いです。作文は配点が10点以上あり、正しい文章が書ければ満点をもらえます。なので、時間をきちんと確保して満点を狙うのが大切です。10分という時間で200字前後の文章を書くためには、何度も練習を重ねておく必要があります。

作文は内容の良しあしではなく、正しい文章であることが大切

入試の採点は客観的に行わなければなりません。採点者の好み、感情、価値観によって、○×や減点が行われたら、合格不合格での公平さが損なわれてしまいます。作文も他の問題と同じように客観的な採点が行われます。作文の内容が素晴らしいかどうかという判断は、採点をする人の好みによっていろいろ変わっていくものです。内容の良しあしが採点の材料として使われた場合、その採点は客観性を失うことになります。
なので、点数をつけるにあたって内容は考慮に入れず、正しい文章か、原稿用紙の使い方は間違っていないか、漢字や送り仮名に間違いはないかなどの客観的なことがらのみをチェックするのです。
とはいっても、反社会的なことがらに賛同する内容、暴力や物を壊すと気分がすっきりするとか、気に入らない人間は友達と結託して無視するとか、そういった 内容はチェックされるので絶対に避けるべきですが。常識的で読んでいて気持ちが明るくなる内容のものを正しい日本語で書いていけばいいのです。内容は小学 生低学年が書きそうな拙い意見や感想でも構わないのです。

作文の書き方の基本

作文の書き方として絶対に守るべきことがあります。それは、「出題の内容に沿ったものを書くこと」「他人に伝わる内容となるように書くこと」
の2つです。
「出題の内容に沿ったものを書く」というのは、図や表を見て気づいたことと、それへの意見を書きなさいとあれば、図や表の内容に触れる必要があります。図や表について少ししか述べず、ほとんどは全く別のことというのであれば出題の内容に沿っていません。
中学時代のボランティア活動がテーマなのに、将来どんなボランティア活動をしたいかというのを長々と書くのも出題の内容には沿っていません。「友人」「時間」という語句を用いて作文を書きなさいという条件なのに、これらの語を使わなければ大きく減点されるか、×になってしまいます。200字前後で書きなさいというのに、100字程度で仕上げてしまっても点数はほぼもらえません。
「他人に伝わる内容となるように書く」というのは、内容を分かりやすく書くということです。200字は短い文章なので、自分の意見や感想は1つで十分です。意見や感想を2つも書こうとすれば、論点が曖昧になったり、理由や根拠の提示、説明が舌足らずになります。「~ということがあった。だから~だ。」「~と考える。その理由は~だからだ。」「~だったので~と思うようになった。」などと、意見や感想には必ず理由の説明を絡めます。そうすることで説得力のある分かりやすい文章になります。

作文問題の採点基準

公立高校では、作文問題の採点基準は発表していませんが、入試での作文問題は何十年の長きにわたって出されてきており、模擬テストでも出題されているので、その採点基準はかなりの正確さで推測することができます。採点基準は形式と表現の2つに大きく分類されます。
形式面では、
・原稿用紙の使い方が正しいか?(解答用紙のマス目を原稿用紙とみなして文章を書きなさいと問題文にあれば、原稿用紙の正しい使い方に即して文章を書きま す。原稿用紙と考えなくていいとあれば、原稿用紙の正しい使い方のルールは無視しします。原稿用紙ならば「。」や「、」などの句読点が行の最後に来た場合 は、文字と同じマス目に句読点を書き入れますが、原稿用紙でないならば句読点は文字と同じマス目に入れることはなく、句読点1つにつき1マスを与えられま す。
・字数制限
・漢字の間違いや間違った漢字を使っていること。漢字の書き間違い以外にもあります。「例を挙げる」と書くところを「例を上げる」と書けば減点になります。
・漢字の送り仮名。「食べる」を「食る」と書いたり「省く」を「省ぶく」と書いたりすることです。
・主語と述語の関係。文のねじれです。これが一番多いミスです。私がそんなことを考えたのは、友達とプレゼントの交換をしました」というように、主語と述語が適切に対応していないのは大きな減点となります。
内容面では、
・求められているテーマに合った内容かどうか。
・内容に矛盾やちぐはぐさがないか。支離滅裂で何を言いたいのかよくわからない文章になっていないか。
・二段落で書けというところを一段落にしたり、三段落にしたりしていないか。
これらのことに留意しながら作文の練習を行うことです。始めは時間を気にせず、しっかりした物を書いていき、慣れてきたら、10分内で書けるように練習しましょう。

作文の字数制限

作文の問題だけでなく、記述問題についてもあてはまることなので合わせて理解してください。「~字以内で書きなさい」とある場合は、字数の80%以上です。ただし、その字数を超えてはいけません。たとえば、「50字以内で書きなさい」とあれば40字~50字。100字以内ならば、80字~100字です。
200字以内で書きなさいという場合は、90%以上書くのが望ましいです。採点基準は高校ごとの自由裁量になっていることが多いので、進学校だと200字以内のときに80%の160字だと少し減点されるかもしれません。「~字程度で書きなさい」とあれば90%~110%の範囲になります。200字ならば180字~220字です。この場合は、220字をやや超えても減点に はなりません。~字以内と違って80%の160字では減点されます。記述問題で50字程度とあれば45字~55字です。