学習意欲

子どもの時に無理に勉強をさせられた母親の子どもは、家庭学習をしない

母親が、自分が子どもだったときに親に無理に長時間の勉強をさせられた場合、自分の子どもには勉強をするように強く言わないという傾向があります。これは、私が学習塾の仕事に長年携わり、塾に通う生徒や保護者と面談をしてきて気づいたことです。

たとえば、ある母親は、自分が小学生と中学生のときにはテレビを見る時間は1日1時間までと制限され、毎日3時間勉強させられたそうです。学習塾に通い、中学受験をし、私立中学に通い。4先制大学に進学したそうです。勉強を強いたのは母親ではなく、父親とのこと。けれども、今でも父親との仲は悪くはないとのことでした。

それでも、母親は自分の人生を振り返って、少女時代の楽しい思い出はないのだとか。それがあって、この母親は、自分の子どもには勉強を強いることは全くありません。男の子が2人いて、どちらも私の塾に通っていました。学校の教科のテストの結果がどんなに悪くても、母親は子どもらを叱りません。父親は、県立の工業高校を卒業して、ビルの保守管理の仕事をしているのですが、母親と同じように勉強のことは一切口にしません。それもあってか、2人の子どもたちはどちらも、家庭学習も試験勉強も全くしませんでした。もともと学習塾にくるようなタイプではなかったのですが、2人の子どもの共通の友達が私の塾に通っていて、2人は学習塾というものに興味を持ち出して通い始めたのでした。2人は通っていることに満足していて、成績を上げようという意欲はありませんでした。

教えていて、理解力の高さは十分感じられて、家庭でも勉強をすれば上位グループに入ることもできそうでした。それで、勉強を頑張るように何度も言いましたが、ゲームをやったり、ライトノベルズを読んだりしていることのほうが面白いと言って、勉強はさっぱりやらなままでした。

両親が子どもたちに、勉強をしてもらいたいというそぶりを全く見せないのですから、子どもたちは勉強をしないのも当然なのでしょう。

他にも母親が、自分は勉強させられてつまらない子ども時代を過ごしたと思っており、子どもには勉強することを求めないというスタンスで子育てをするケースがいくつもあります。そうした場合、子どもは勉強をしませんから、能力が高くても成績はさっぱりになってしまうようです。