勉強法

勉強のやる気がない子には、2種類がある

勉強のやる気がない子には、2種類があります。1つは「勉強をやらなければならないのは分かっているが、やる気が出ない」という子です。もう1つは「勉強のやる気もないし、なぜやらなけれならないのかも分からない」というものです。
前者の「やらなければならないのが分かっている」というのは、工夫次第でやる気も生まれ、学力も伸びていくので希望が持てます。問題はもう1つの「なぜやらなければならないのか分からないからやらない」というものです。この心理状態が続く限り、勉強はちょっともやらないだろうし、たとえ勉強を強制されても学力は身につきません。
これは病気にたとえてみると分かりやすいです。大きな病気をして治療や手術などを受けたとき、本人が再び健康を取り戻して元気な日々を過ごしたいという場合は、病気からの回復も早いです。健康を回復するためにきちんと食べ、しっかり寝て、前向きの気持ちで過ごすからです。一方、手術がうまくいっても、健康を取り戻すことなんかどうでもいいし、再び元気になったところで、大した生活が送れるわけでもないからどうでもいいという考えでは、なかなか健康を回復しません。
勉強ができるようになりたいという気持ちがあれば、いずれやる気は芽生えてきます。できるようになりたいという本人の意欲を周りの人が大切にし、少しずつでも勉強に向かわせる努力をすれば、前に進みます。本人に、自分にはやる必要がないという気持ちがあれば、いくら周りがやる気をかきたてようとしても、そんなものは不要と思っているのだからdぽうしようもありません。
こうした、やる必要が全くないと思い込んでしまっているのは、残念ながら本人だけでなく家庭の責任でもあります。小さいころから努力することの意義、成績が上がろうが上がるまいが、自分にできることを頑張ることの大切さを体で覚えさせないできた保護者の責任です。子どもは好奇心が強く、何にでも意欲を持った生き物です。その意欲を育まないでしまったのは甘やかしすぎ、あるいは厳格に育てすぎのどちらかです。
勉強をやる必要がないと思っている子どもが中学生になってしまっている場合、反抗期だったりすると最悪です。けれどもまだ、ほんの少しの可能性はあります。質素な生活をする。ゲームもテレビもなし。テレビなどは家庭から消し去ります。お酒もおいしい食べ物もお菓子も、子どもだけじゃなく家族全員がなし。夜は9時には灯りを消してしまう。努力しないでいると、どんな生活水準になってしまうか、身をもって味わわせるのです。子どもにだけ勉強しなさい、勉強しないと就職だって大変だからと言ったところで、目の前の現実が快適では現実味がありません。生活水準を落とすのです。そして、勉強しろとは言わない。本人が気づくのをただ待つだけです。質素な生活を何年も続ける覚悟を持って待つ。そうすれば、高校受験では、学力の向上や勉強する習慣の獲得は間に合わないかもしれませんが、大学受験では間に合います。気づけば必ず勉強するようになるし、気づいた時のエネルギーは強いものがあります。