勉強法

大学入試に向けて参考書を3回繰り返す勉強法

一冊の参考書やテキストを何回も繰り返すのがよいと、よく言われます。では、その繰り返して勉強する方法とは、具体的に、どういったものなのかを説明します。

まずはじめに、繰り返し学習する回数ですが、この目安は3回です。誰にとっても3回というわけではありません。その教科の内容に対する習熟度によって、回数は異なります。その教科が得意な人は1回で済んでしまうだろうし、苦手な人は4回はやらないといけないかもしれません。

3回を目安として、また、その教科の習熟度が十分でない人を基準にして考えてみます。その教科を学校ではあまり勉強しなかった人、あるいはその教科が苦手だという人は、以下の参考書の使い方を検討してみてください。

1回目は全体のあらすじ、大ざっぱな内容を把握する

いきなりすみからすみまで丁寧に学習するのではなく、大ざっぱに全体をざっくりと勉強します。
英語の英文法・総合英語ならば第一章から最終章まで、基本文とその説明だけを読みます。細かなところは無視してかまいません。例題や練習問題も解きません。
数学も基本例題のみをやります。章ごとの代表的な例題だけをどんどんやっていきます。練習問題や応用問題は解きません。
物理・化学・生物も重要な事柄だけを拾い読みしていきます。あるいは、持っている参考書が300ページもあるような本格的なものならば、重要な事柄のみを扱っている、図や表を使った説明なども多いテキスト、初学者用のものを使います。
社会も分厚い参考書しかないならば、理科と同じように初学者用のテキストを購入し、ざっくりと読み進めます。
英語・数学も持っている参考書が難しいならば、初学者用の易しいテキストを買って、そちらをざっと解くのも良いです。

気をつけることは、いきなり覚えようとしないこと。すみずみまで丁寧に目を通し、ちょっとでも疑問点があったら、その疑問点を徹底的に考え抜くというやり方は不要です。
たとえば数学は、高校で習う公式や定理の中には、本来ならば大学の理系科目の数学でしっかり考えるべきところを、省略してとりあえず便宜上、こんな風に使ってみましょうというおおざっぱなものがあります。英語もプロの翻訳家でも文法的にも英語構文的にも捉え方が難しくてフィーリングで日本語に解釈しているものがたくさんあります。つまり、悩むだけ損、時間の無駄という部分が数学にも英語にもたくさんあるのです。理科や社会も同様です。

また、1回目はわからなくても1通り目を通した後で理解できることもあります。全体を理解すること、他の事柄と比較し、関連づけて考えることで分かるようになるものもたくさんあるのです。

2回目が本格的な学習

2回目の学習が本格的な学習です。ここでの学習は理解に重点を置きます。暗記してこそ得点につながりますが、理解と暗記の両方をやりながら進んでいくと時間がかかってしまいます。時間がたっぷりあれば、理解しつつ暗記を重ねてもかまいませんが、時間があまりない場合は、理解を中心に進めていきましょう。
そして足跡を残すことが重要です。よく分からないことがらや問題には、あとでもう一度見返すために、チェックマークをつけておきます。理解ができしっかり身についたと実感できるものにも印をつけておきましょう。
そして2回目の学習は科目によってやり方が少しずつ変わります。
数学は、2回目の学習を2回はやるような心づもりでいると良いです。2回目の本格的な理解と練習問題での実力養成を2段階に分けてやるのです。2回目の本格的な学習の1段階目は、理解に重点を置きつつ、今の自分の力量では手に負えない難度の高い問題は飛ばす。そすやって1通り終わりにする。2回目の学習の2段階目は一段階目で飛ばした問題を中心に解いていきます。2段階目でも分からないものは、いったん諦めて、入試が近づいたころまたやります。一度離れることで、かえって分かりやすくなることがあるものです。
英語は、文法については2回目の学習はしっかりと理解する。覚えることは中心でなくていいです。英文法については問題集の問題を解きつつ覚えたほうが暗記がはかどります。英作文と英語構文は暗記をどんどんしていきます。この2つは理屈抜きで覚えてしまった方が英語の力がつきます。英語長文は単語や句動詞や熟語を覚えます。
理科の物理は丁寧に理解をしていきます。化学も理論化学や化学のある分野については理解中心、別の分野については暗記中心です。生物は暗記です。

3回目の学習

3回目は暗記中心です。数学はより複雑な解法の問題を解くと同時に、2回目の学習でようやく理解でき、身についた解法を忘れないように復習しつつ暗記しましょう。英語の英文法は問題集の問題を解き、間違えたものは暗記し、英作文や英語構文も暗記を重ね、英語長文も文章内の単語やイディオムを暗記します。理科は実戦的な問題を多く解くと同時に、暗記をがんばります。

以上はおおまかな目安です。
学校の授業を通じて基本が身についている人は1回目の学習はせず、2回目の学習から行ってよいと思います。全体の概要を把握してから、細部の理解に移っていくという大まかな学習の流れに従い、自分なりにアレンジした学習方法で勉強をしてください。