高校生の勉強

高校生の現代文の読解力

高校生になって、高校の現代文で読む文章は、ジャンルや分野それぞれにおける専門性が強まり、かなり難しくなります。
論説文、評論文などは「何が書いてあるかわからない」「筆者の言いたいことがみえてこない」「これって本当に日本語なの?」とうめく人も少なからずいるでしょう。
大学入試の現代文では、書かれていることがらを理解するためには、その文章が書かれている事柄と関連した知識をどれだけ多く持っているかが鍵になります。

文章理解には、文章の背景知識が重要

たとえば自然の生態系についての評論文を読むとき、生態系の知識をあらかじめ持っているのといないのとでは、テストでの問題文の理解力や読むスピードに明らかな差が生じます。
ですから、自然科学、工学、哲学、心理学、教育論なさまざまな分野についての一般的な知識を、普段の読書を通じて身につけておくことが大切です。
私立大学文系ならば、受験科目は英語、国語、社会の3教科で済むから国語、そして現代文にあてる時間もあります。けれども国立大文系は、センター試験で英 語、国語、数学、社会以外に数学や理科が受験科目に入ってきます。国語の勉強といっても古文、漢文に時間をとられて、現代文までなかなか手が回りません。 国立理系ともなれば、なおさらです。
けれども、「読書などと悠長なことをしていられる時間はない」と言う人がほとんどと思います。ですので、時間をかけず、効率のいい読書を行って現代文の力を高めていくことが大切です。
高校3年生の現代文攻略もまた、中学入試や高校入試の国語の学習と同様、多読と精読の両方が大切です。多読での目的は、活字に慣れるとか、文章を速く読めるようにするというのではなく、さまざまな知識や考え方の幅広い習得です。
現代文の問題を解きやすくする、知識や考え方の効率的な習得は、易しい本を大量に読むことです。大学受験をするのだから、それにみあった高校生らしい難度の本を読むなどとこだわる必要はありません。漫画でもいいし、小学生が読むような本でもいいです。そして、多読で培った大量の知識は精読を行いやすくします。

大学入試の現代文の問いで高得点をあげるために役立つ本

新聞のコラムの天声人語、編集手帳や社説を読むことが、かつては推奨されました。今でも、たまにそういった声を聞きます。けれども今の時代は、新聞のコラムや社説を読むことはお勧めしません。大学入試で出題される文章と傾向が合わないからです。大学入試でよく出題される文は、内容が専門的であり、文章は読みにくく悪文の範疇に含まれるようなものが多いです。社説は、専門的な内容でもなく悪文でもありません。文章を書くときの参考にはなりますが、読解力は高まりません。

多読

岩波ジュニア新書・ちくまプリマー新書…大学入試の現代文のレベルと比べると、易しいものが多いです。数時間で1冊読めるぐらいのレベルなので、こちらの親書を幅広く読むといいでしょう。
一般的な新書…中高生向けのものと比べると、歯ごたえがありありますが、それでも大学入試レベルよりは簡単です。

精読

参考書・問題集・大学入試の現代文の文章…文章を丁寧に読むこと。文章によっては、辞書で語句の意味を調べたり、何度も反復して読んでも、筆者の主張や文 章の意味が捉えきれないところがあります。これは読解力が弱いのではなく、筆者の文章力が弱い場合も考えられます。物を書く場合、考えが頭に浮かぶにまか せて、言い方を変えれば筆が流れるにまかせて、書き散らすこともあります。推敲をせずに活字になった場合、時々意味を追えない箇所が出てくるのです。
ですから、論説文や評論文は精読といっても、細部にこだわりすぎず、大意が捉えられればそれで良しとする大ざっぱさも持ち合わせたほうがいいです。
あまりに難解な個所は、問題を作成する側もそこを無視して文意が掴める個所に関係する問題を作成します。一般に、易しく読みやすい文章のときは作問は難しく、難度が高い文章のときは問題は解きやすく作ってあります。