小学生の勉強

外食・レジャー・旅行が好きな家庭の子供

1990年、バブルがそろそろはじけようかという頃のことです。東京の世田谷のとある進学塾で講師をしていたことがありました。まだまだ日本経済も元気で、土地柄もあり、裕福な家庭の子女ばかりが通ってきました。月謝も、1クラス20人なのに、3万円もとっていました。

わたしはそこで有名私国立中学の受験をめざす小学生に国語を教えていました。塾の講師になって数年たった頃です。

夏期講習のとき、クラスの子達が海外旅行にこれから行く話とかすでに行ってきた話を盛んにするので、クラスで何人ぐらいの小学生が海外旅行に出かけているのか、挙手をしてもらったところ20人中10人ほどが海外旅行で、5人が沖縄や北海道などへの旅行でした。おみやげなどもいただいてうれしかったのを覚えています。
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ところで、この時、あることに気がつきました。成績が優秀で、筑波大付属駒場中・青山学院大付属中・慶応大付属中・桜蔭中・武蔵中などを目ざす子達は全員、旅行は全く行かないのです。お金がないからではありません。家族で旅行はしましすが、オートキャンプとか体験学習を織り交ぜた旅行とかなのです。浮かれ楽しむ観光旅行ではなく、自然に触れあったり、知的な刺激のある、蕎麦打ちとか、科学学習とかの体験学習なのです。

それから、家族でどんなイベントを楽しむのか折に触れて気にかけるようになり、それとなく観察すると、成績がずばぬけて高い子の家庭は外食や享楽にあふれたレジャーはせず、実に淡々と日常を過ごしているのです。成績が良くない子からある程度よい子までの家庭は、休日は家族でファミレスや外食チェーンにいってみたり、日帰りで遊園地にいってみたりして過ごしているのです。

家族みなでいろいろなイベントを企画して楽しむのはとてもよいことなのですが、小学生は気分の切り替えがまだまだ上手ではなく、イベントの前日と翌日は浮かれ気分に支配されて、勉強に向かう気持ちが弱まり、落ち着いて集中力をもって取り組むことができないのではと思うのです。大人だって、楽しいイベントの前後は気持ちがそぞろだって仕事に集中できなくなりますものね。

ですから、小学生がレジャーを楽しむ場合、これは中学生も同じですが、知的好奇心を刺激したり、身体を動かしてちょっとした技能を身につけたりと、そんなレジャーを楽しむのがよいと思うのです。今はさまざまな体験学習がありますし、そうしたツアーを利用するもよいかと思います。

子どもには享楽的な刺激を与えすぎないよう、外食なども控えて単調な日々を過ごさせ、勉強の習慣をはぐくむのが良いかと思います。