中学生の勉強

高校入試の国語の問題の基本事項

国語の入試問題で高い得点をあげるために、押さえておかなければならない基本的なことがらを述べます。
その基礎的なことがらは、文章の読解力、作文や小論文を書くための能動的語彙、普段の読書、国語の参考書や問題集です。

文章の読解力を鍛える―多読と精読

文章の読解力は、物語や小説を読むだけでは鍛えることができません。説明文、論説文、評論文を精読することも重要です。物語、小説、随筆、エッセイの多読と説明文、論説文、評論文の精読を平行して行うことで読解力が高まります。多読をすることで、活字に慣れ、文章を読むスピードが速くなります。精読をすることで、作者や筆者の言いたいことや、文章の要点を正しく読み取ることができるようになり、深い思考力が養われます。易しめの説明文、論説文、評論文を多読したり、難度の高い小説文や随筆を精読することも行うのも読解力を高めます。
人文系や科学系への雑学的知識が多いほど、文章が速く正確に読めます。これは国語の得点を高めるのに有利です。 多読によって雑学的知識は増えます。読書量をぜひ増やしてください。

作文・小論文―普段から能動的語彙を増やすようにする

私たちが持っている語彙数

母国語である日本語について、私たちはどれだけの語彙(ボキャブラリー、語句、単語という意味)を持っているのでしょう?
一般に
小学生の語彙: 5千~2万語
中学生の語彙数: 2万~4万語
高校生の語彙数: 4万~4万5千語
大学生の語彙数: 4万5千~5万語
とされています。

能動的語彙と受動的語彙

こうした語彙を操る能力は、受動的語彙力と能動的語彙力の2つに分類されます。受動的語彙とは、文章を読んだり聞いたりする時、その語句の意味が分かるものを言います。能動的語彙は、自分で文章を書きたり、何かを話すとき、実際にその語句を使うことができる能力です。受動的語彙力が高ければ、文章を読み取る力が高くなります。能動的語彙力が高ければ、内容の濃い文章を書いたり、魅力的なスピーチができます。

作文や小論文は能動的語彙を増やすこと

作文や小論文では、能動的語彙力を高めることが重要となってきます。受動的語彙が増えれば、それに応じて能動的語彙も増えやすくなります。けれども、書くという行為を行わなければ、能動的語彙は増えません。多くの本を読み、受動的語彙力を増やし、それとあわせて、たくさんの文章を書くことで能動的語彙力が高まります。

漢字と語句―漢字は書けるようにし、語句の意味も覚える

小学生の時は、漢字の書きとり練習を多く行い、国語辞典なども使って語句の意味調べをやったことと思います。けれども、中学生、高校生と進むにつれ、漢字を覚えたり、語句の意味を調べることをしなくなります。教科は英語も加わり、高校になると理科や社会は細分化され、学習量が増える一方で、漢字の暗記まで手が回らなくなるからです。語句については、正確な意味を知らなくても前後の文脈で推理しながら読めるので、意味を調べることは怠りがちになります。国語の読解力や作文能力を上げるためには、言葉の正確な意味を知り、漢字がすらすらと書けるようにすることが大切です。これらのことを行っていけば能動的語彙も増えていきます。

国語の勉強法

国語の勉強法は、小学生から大学受験生まで同じ

国語の勉強法は、小学校低学年から大学受験生まで同じです。それらは以下の通りです。

多くの本を読む。
国語辞典を使って言葉の正確な意味を知る。
漢字の読み書きができるようにする。
段落ごとに文章の要点をまとめる。そして、文章全体の要旨や要約を作成する。
文章で書かれている事柄を箇条書きで整理してみる。

これらのことを行いながら文章を読むと、その文章を深く正確に読み取れるようになります。

どんな本を読めばいいのか

中学受験を行わない小学生は、自分が興味のあるジャンルの本を読んで、読書の習慣をつけましょう。 物語や小説一辺倒でも構いません。 2時間ぐらいは読書に没頭できるぐらいの集中力とタフな頭脳を作ることが大事です。中学受験を行う小学生と中学生全般は、岩波ジュニア新書、ちくまプリマー新書に良い本がたくさんあります。 物語、小説以外にもこれらの本を読んで説明文、論説文の読解力を鍛えていくといいです。中学受験を行う小学生や中学生でも、読書が苦手な人は、自分の好きなジャンルの本を長い時間読むことから始めると良いです。苦手だと読んでいるうちに、意識が本から離れて、他のことを考えたり、 漫然としがちなので、本に書かれている内容をメモをとりながら読むといいです。高校生は大学生や社会人といった、一般の人たちが読む新書を読んでください。難度の高いものは辞書を使ったり、参考文献で知識を補いながら丁寧に読んでください。 文章の読解力を高めると同時に、書かれている内容についての知識も身に着けることが、大学入試では重要になります。

参考書や問題集は必要?

参考書や問題種は必要です。そして、国語は他の教科と違って、学習をしてその成果が出るまで、 相当のタイムラグがあります。 勉強し始めて1か月や2か月程度で成績が上がるわけではありません。
また、日々の思考の鍛錬、継続的な問題練習によって成果が少しずつ上がる科目なので、入試の直前になってあわてて行わないようにすることです。
ですから、国語の勉強は普段から少しずつでも行ってください。
小学生は自由自在や応用自在を勧めます。これは中学受験を行う子が主として使うものですが、 非受験の子も、独力で使いこなせます。算数や理科の中学受験用の参考書ならば、大人の手引きがないと難しいものも多く含まれますが、国語はそうではありません。母国語なので、丁寧に読み、丁寧に考えさえすれば確実に理解でき、実力がつきます。
中学生は旺文社の総合的国語が良いです。
高校生は、河合塾の「現代文と格闘する」が文章の要約の仕方が身について良いです。

中学入試で身についた読解力は、大学入試まで有用

中学入試に合格し、国私立中学校に進学した子が、大学受験において有利なことがらはいくつかあります。中高一貫教育はカリキュラムが合理的です。高校2年次で高校3年間の勉強をすべて終えられるので、高校3年次を大学入試に向けた実戦力を大いに養えます。勉強のやり方や、受験の心構えについてお手本となる友達やライバルが身近にいて、だらけずに勉強ができます。中学入試での問題の解法、特に記述問題の解法と、大学入試での現代文の解法は同じものです。中学入試で国語の問題演習をしっかり行い、問題の解き方を身につけた人は、大学入試で現代文に時間をあまりかけずに、高得点がとれるのです。記述問題は、東大をはじめとした旧帝大の2次試験で50字?200字程度で書く問題が出ます。合格するためには、記述問題である程度の点数は稼がねばなりません。