茨城県立高校入試で、志望校に合格するには、どの程度の得点が必要になるのかは、とても気になるところでしょう。
その得点は、入学試験の平均点、入試の標準偏差、県立高校の偏差値という3種類の数値を使って推定することができます。このページでは、得点の推定の仕方について、例を用いて説明します。
偏差値のしくみ
初めに偏差値のしくみについて説明します。
偏差値というのは、試験を受けた人たちの中で、自分の学力順位がどのあたりに位置しているのかを数値化したものです。
例えば500人が英語の試験を受け、その試験の平均点が100点満点中、60点だったとします。平均点と同じ60点をとった人の偏差値は50になります。つまり、偏差値50とは平均点のことなのです。また、順位は真ん中の250位になります。
あるいは、試験がとても難しく、平均点が100点満点中、35点だったとします。平均点と同じ35点をとった人の偏差値は50です。500人が受けていた場合、順位はやはり、真ん中の250位になります。
このように偏差値は、試験の難度がどのようなものであっても、自分の学力順位が全体の中でどの程度の位置づけなのかを分かりやすく数値化したものなのです。試験の平均点や受験者の人数から独立して、自分の学力を把握しやすいように数値化したものが偏差値です。たとえば偏差値70ならば上位2%以内の学力です。受験者が100人ならば2番や3番となります。
偏差値の求め方
では、100点満点の試験で100点をとった場合、偏差値はいくつになるのでしょう?
これは、その試験での平均点や標準偏差によって異なります。100点満点のテストで平均点が80点であれば、100点をとり1位になっても偏差値は55程度の可能性があります。100点満点中、平均点が35点で、自分が90点をとり順位が1位であれば、偏差値は75になる可能性があります。また、100点満点のテストで平均点が35点でも、成績のいい人と悪い人がはっきり別れ、できる人は皆90点から100点の間の点数に集中し、できない人は0点から10点に集中し、30点~80点の点数をとる人が少なければ、90点での偏差値は70程度になる可能性があります。
すなわち、偏差値は平均点、そして得点をとった人たちがどのように分布しているかによって変わってきます。偏差値は、この平均点や得点分布を考慮して算出しています。
また、得点分布がどのようなものか、言い換えると、0点から100点までの得点のばらつきがどのようなものかを示しているのが標準偏差です。例えば、ばらつきが全くない場合、数値で表すなら100点満点の試験を100人が受験し、全員が40点だった場合、標準偏差は0になります。そして、得点のばらつきが大きくなるほど標準偏差は高くなります。
平成29年度の茨城県立高校の入学試験の結果を用いて、各高校の合格に必要な得点を考える
次に、平成29年度の茨城県立高校入試の得点データを用いて、各高校の合格に必要な得点を考えます。
平成29年度の入試の平均点は288.95点でした。また、標準偏差は94.43でした。
次に、偏差値を求める式を述べます。以下の式がそれです。
{(その人の得点 - 平均点)×10 / 標準偏差 }+50 = 偏差値
たとえば、その人の得点が420点、平均点と標準偏差はそれぞれ上記の数値を使うと、
{(420-288.95)×10/94.43}+50=63.87
となります。つまり、420点での偏差値はおよそ64となります。偏差値64の受験生にとっての合格可能性60%の県立高校は日立第一高校があります。すなわち、日立第一高校に合格するための入試での得点の目安は420点となります。
茨城県立高校の入学試験の偏差値・得点の目安の一覧
以上の説明をふまえて、茨城県立高校の入学試験の偏差値得点の目安の一覧を表記します。合格可能性60%での偏差値と得点になります。得点は、平成29年度の入試の平均点288.95点、標準偏差94.43、平成28年度の入試の平均点281.10点、標準偏差94.08の2つを用いています。これらをみると分かるように、平均点の違いによって、合格のめやすとなる得点も異なります。
偏差値 | 平成29年度の 合格点 |
平成28年度の 合格点 |
県立高校 |
72 | |||
71 | |||
70 | |||
69 | 468 | 460 | 水戸第一 土浦第一 |
68 | |||
67 | |||
66 | 440 | 432 | 竹園(普通・国際) |
65 | |||
64 | 421 | 413 | 日立第一 |
63 | 412 | 403 | 緑岡 |
62 | 402 | 394 | 水戸第二 土浦第二 |
61 | 393 | 385 | 龍ヶ崎第一 牛久栄進 下妻第一 |
60 | |||
59 | 374 | 366 | 水戸桜ノ牧 |
58 | 365 | 356 | 水海道第一 |
57 | 355 | 347 | 下館第一 |
56 | 346 | 337 | 日立北 水戸第三(普通) |
55 | 336 | 328 | 太田第一 藤代 |
54 | 327 | 319 | 勝田 牛久 水戸商業(商業) 鉾田第一 |
53 | 317 | 310 | 古河第三 水戸第三(家政) 古河第三 水戸商業(国際ビジネス・情報ビジネス) |
52 | 308 | 300 | 水戸工業(情報技術) |
51 | 298 | 290 | |
50 | 289 | 281 | 水戸工業(建築) 下館第二 下妻第二 水海道第二(普通) |
49 | 280 | 272 | 佐 和 水戸工業(機械) |
48 | 270 | 262 | 多賀 水戸工業(電気・工業化学) 鹿島(普通) 土浦第三(商業) 石岡第一(普通) 取手第一 |
47 | 261 | 253 | 取手松陽(美術・音楽) 伊奈 境 |
46 | 251 | 243 | 日立商業(情報処理) 水戸第三(音楽) 那珂 岩瀬(衛生看護) 古河第一(普通) |
45 | 242 | 234 | 土浦湖北 取手松陽(普通) 下館工業(電子) 水海道第二(商業) |
44 | 232 | 225 | 日立第二 日立商業(商業) 水戸工業(土木) 麻生 土浦工業(情報技術) |
43 | 223 | 215 | 佐竹 日立工業(情報電子) 鹿島(情報・実務) 下館工業(機械・電気・建設工学) |
42 | 213 | 206 | 勝田工業 中央(普通) 土浦工業(機械) 古河第一(商業) |
41 | 204 | 196 | 東海 土浦工業(電気・建築) 水海道第二(家政) |
40 | 195 | 187 | 日立工業(機械・電気) 鉾田第二(総合) 波崎柳川(普通) 取手第二(普通) |
39 | 185 | 178 | 水戸農業(食品化学) 龍ヶ崎第二(普通) 藤代紫水 鬼怒商業 |
38 | 176 | 168 | 石岡商業(情報処理) 龍ヶ崎第二(商業・人間文化) 岩瀬(普通) 八千代 |
37 | 166 | 159 | 日立工業(工業化学) 大子清流(普通) 守谷 水戸農業(農業土木・農業経済・生活科学) 波崎(機械・工業化学・情報) 総和工業(電気・電子機械) つくば工科(機械・ロボット工学・建築技術) |
36 | 157 | 149 | 高萩清松 那珂湊(普通・商業) 笠間(メディア芸術) 水戸農業(畜産) 潮来(普通) 神栖 波崎(電気) 石岡第一(園芸) 石岡第二(普通) 中央(スポーツ科学) 石岡商業(商業) 土浦工業(土木) 取手第二(家政) 江戸崎総合 つくば工科(電気電子) |
35 | 147 | 140 | 水戸農業(園芸) 波崎(普通) 玉造工業 古河第二(全科) 総和工業(機械) |
34 | 138 | 131 | 太田第二(普通・商業) 小瀬 水戸農業(農業) 波崎柳川(体育) 石岡第一(造園) 石岡第二(生活デザイン) 筑波 石下紫峰 |
33 | 128 | 121 | 水戸桜ノ牧常北校 笠間(普通・美術) 大子清流(森林科学) 潮来(商業・人間科学) 龍ヶ崎南 結城第一 岩井 坂東総合 |
32 | 119 | 112 | 磯原郷英 常陸大宮(全科) 大洗(普通・音楽) 茨城東 友部 海洋(全科) 鉾田第二(農業・食品技術) 明野 真壁(全科) 三和(全科) |
31 | 110 | 102 | |
30 | 100 | 93 | 高萩 |