就職

アピールできる強みがない大学生はTOEICの高得点を武器として就活するのがお薦め

大学の文系学部生と理系学部生の就職の有利・不利の差はほとんどないと言いますが、果たしてそうでしょうか?

これについてはなんとも言えません。文系学部は、法学部、特に法律学は、どの業界・職種にも対応できます。また、企業の事業内容がどうであっても対応できます。いわゆる潰しが効く学部です。経済学部、経営学部、商学部なども、法学部ほどではありませんが、潰しが効く方です。一方、理系学部は、大学で専攻した分野が限定的なことが多いため、企業の事業内容が一致したところでなければだめであることが生じてきます。潰しが効きにくいのです。

そして、学歴フィルターなるものが就職のさいの書類選考において存在します。ブランド大学ならば学部を問わず書類専攻を通過できるが、ブランド大学以外は、どんな学部でも書類選考で落とされるというものです。また、大学の銘柄と学部を組み合わせた学歴フィルターもあります。こうした学歴フィルターは理系学部よりも文系学部の方が多くかけられるようです。それは、文系学部の学生と理系学部の学生の割合が7:3だからです。理系学部の学生が圧倒的に少ないために、理系学部生は文系学部生に比べて学歴フィルターではねられにくいと言えます。

学歴フィルターについての具体的な内容は明らかになっていません。本来あってはならないことなので、学歴フィルターを否定する企業が圧倒的に多いからです。なので、実情がみえてこないのです。

それで、ネットでいろいろと調べるとどうやら次のことが推測されます。

文系学部については、ブランド大学の学生であれば、学部や専攻は不問になるということ。ブランド大学をどこまで含めるかは業界によって変わります。就職において人気のある大手企業であれば、旧帝国大学と早慶ならば、学部や専攻が何であっても、多くの企業で書類選考は通過するようです。それ以外の大学では、学部や専攻がどうであっても、一般には就職に有利とされている法学部法律学専攻でも、就職に不利とされている文学部日本文学専攻などでも等しく、書類選考ではねられるようです。

理系学部では、大学での専攻内容と出身大学のブランド力の兼ね合いによるようです。文系学部ならば、旧帝国大学と早慶ならばどんな学部や専攻でも書類選考を通過しますが、理系学部の場合は、旧帝国大学や早慶の出身であっても、大学での専攻内容と職種との食い違いが大きいと書類選考ではねられるようです。ということは、たとえ上記のようなブランド大学ではなくても、一定の水準以上の大学の出身ならば、大学で専攻した内容によっては、人気のある大企業の書類選考も通過するということです。

けれども、ブランド大学や、理系での専攻のミスマッチによって、書類選考で完全にはねられるのでしょうか?

それは違います。就職を希望する学生が多い大企業は、その希望者全員に採用試験を課していれば莫大なコストがかかります。経済的コストも大きいですが、何より大変なのは、面接官の準備といった人的コストです。ですから、書類選考の段階で学歴フィルターをかけることで採用試験の受験者を絞る必要があるのです。企業は、出身大学や専攻した学問分野とは関係なく、有能な人材を欲しています。その有能な人材はブランド大学出身の中にいる確率が高いので、学歴フィルターをかけているだけなのです。

ですから、その学歴フィルターを突破できるだけの特技、実績、実力、行動力があれば良いわけです。どの企業も欲しくなるようなポテンシャル、または実績などを持っていれば、応募書類でそれを明らかにすることで採用試験にこぎつけることはできます。

そのポテンシャルは、たとえば難度の高い資格です。日商簿記1級ならば、どの企業も入社できるほどの優れたパスポートだとよくいわれます。一方、少しの努力でとれてしまう簡単な資格は意味がありません。ファイナンシャルプランナーは就活においてとっておくべき資格とよく言われます。お薦め度もかなり高いです。個人が自分の資産形成のための知識を得る手段として取得するというのは大変役立ちます。けれども、ファイナンシャルプランナーの3級と2級は簡単です。また、その資格があると有利だという仕事も総多くはありません。

文系学部なら法学部は行政書士や司法書士や宅建、経済学部や商学部や経営学部ならば日商簿記1級(2級もやや有利と言われています)、理系学部ならばプログラミング関係の資格などがお薦めと言われています。もちろん、公認会計士や弁護士や医師や薬剤師は言わずもがなですが。

それでは、こういった資格とは縁のない文学部や社会学部の生徒はどうすればいいのでしょう?それは英語資格をとること、あるいは英語試験での高得点をとることです。英検一級、準一級の資格、TOEICやTOEFLの高得点を、どれか1つに絞らず、複数こなせばよいでしょう。複数は厳しいという人は、圧倒的にTOEICです。TOEICの高得点が実務に使えるレベルかどうかの議論は、ひとまずおいときましょう。

大学生の就職関係のwebサイトやブログをあれこれ見ていると、就職に役立つ資格ランキングでの1位はTOEICです。有力なwebサイトがエビデンスを示しつつ1位としているのだから、確実に役立つのでしょう。

TOEICをベースにしつつ、他に自己PRできるような実績を作ったり、それほど難しくなくても、何かの資格や特技を持ったりすれば、TOEICとの複合によって、自己のポテンシャルを大きくすることができます。