勉強法

暗記のやり方にも個性がある

数年前のことです。中学3年生の男子が12月に入塾しました。入試まで正味3ヶ月。こんな直前にどうしてと思ったのですが、近所の大学生に家庭教師をお願いして勉強をみてもらっていたのだけれど、英語が一向にできるようにならず、このままだと落ちてしまうと不安になり、塾通いを決めたとのこと。

 

確かに彼の英語力は惨憺たるものでした。実力テストでは、リスニング分野でわずかに点数を稼ぐのみで他は全滅。100点満点で20点もとれないらしいのです。

 

そして実際に英語を教えてみると、I my me you your youの代名詞の意味さえ分かりません。am are isの使い分けもできず、中学1年生5月頃の知識でとまっています。

 

ところが、desk dictionary eracer といった単語の意味はわかるのです。一方、pretty beautiful defferent などはだめです。どうやら具体的な形のあるもの、頭に視覚的なイメージの沸く単語は覚えられるのでした。ですから抽象的な、私 あなた 彼 難しい という単語はだめなのです。

 

そこで抽象的な意味の単語も、簡単な絵を描いて、絵と一緒に覚えるように提案したところ、ようやく覚えられるようになりました。Iは自分の顔を描き、myは、手が本を持っている絵を描いてmy book で覚えるという具合にです。

 

時間はかかりましたが、少しずつ絵を描かなくてもイメージをするだけで覚えることができるようになり、英語長文の意味もわかるようになって入試の問題は50点をとれるようになりました。

 

1年1学期のところでつまずいていて、にっちもさっちもいかなかったのが、2ヶ月で中3の3学期のところまで身についたのですからなかなかです。

 

諳記にも個性があり、彼の場合は、覚えたいことがらを映像と結びつけて覚えると、どんどん覚えられるんだなと感心しました。