学習意欲

自分から勉強をする子どもへの育て方

親が子どもに「勉強しなさい」と言わなくても、子どもが自分から勉強をする。我が子をこういった子どもに育てるのは中々難しく、悩んでいる保護者も多くいるようです。

また、こうすれば自分から勉強をする子どもに育つという指南やアドバイスを書いたwebサイトも多くあります。どれも正しいことを言っていますが、多くはテクニックに走りすぎているように思えます。

我が子を自分から勉強をする子どもに育てるには、根本的なことがらを押さえて、その根本的なことがらに沿って我が子と関わっていけばうまくいきます。

その根本的なこととは、親が、自分自身の価値観において、学力を高く価値づけることです。親が学力の高さを非常に重要視していれば、子どももまた、その親の影響によって学力に重き価値を置くようになるからです。その結果、子どもは、高い学力を身につけるべく、自分から進んで勉強するようになります。子どもというのは親と同じ価値観を持つものです。親が、勉強は対して意味がないと考え、その考えを自分でも意識しないで、自分の行動に反映させていれば、子どももまた、勉強することは大した意味がないと考えるようになります。

親の価値観が子どもの価値観の形成に及ぼす影響は、子どもが幼い頃は特に強いものになります。ですから、子どもが幼い頃から、学力が高いのは素晴らしいことだということを、言葉でも行動でも、親は繰り返し表すことが大切になります。

教育社会学の研究では、親が高学歴であること、親が知的専門性が高い職業に就いていること(高学歴を生かした職業)、家の蔵書が多いこと、新聞を購読していること、親の教育アスピレーションが高いこと(アスピレーションは情熱という意味、子どもに高学歴を身につけさせたいという気持ちが強いこと)の条件が揃うと、子どもは学力が高く、高学歴を獲得する傾向があると言われています。これは、親が、学力を高く価値づけていることを示すことがらが多いということになります。親が、学力が高いというのは素晴らしいことだと言葉にしなくても、親が高学歴であり、高学歴によって知的専門性の高い職業に就いていて、世間からの威信も高く、家には蔵書数が多いとなれば、子どもは自分も親のようになりたい、そのためには勉強を頑張ろうという気持ちになります。

では、親が高学歴でなければだめなのでしょうか。親が、自分は学力を高く価値づけているといっても、親自身が高学歴でなければ説得力は弱くなるでしょうが、別のやり方で十分補えます。それは、親が読書をしている姿を見せるなどです。本の難しさはどうでもよいです。活字を読んでいることが大切です。テレビで、親自身がニュース番組や教養系の番組を見ている姿を子どもに見せれば、それが高学歴の代替になります。

親が、我が家は知的に頭を使うこと、高い学力を有することに重きを置く過程なのだという雰囲気を家庭内に充満させていれば、子どもは自分から勉強をするようになります。逆に消してやってはいけないのが、親が、自分は高校生のときは不良だったなどと自慢をすいることです。学力を高めることに高い価値づけを行うのとは真逆のエピソードなので、勉強を頑張ろうという子どもの気持ちが弱まります。