中学生の国語

精読と多読による中学生の国語の読解力の鍛え方

中学生の国語の読解力は、精読と多読の2つの読書法を実践することで鍛えられます。
中学生が読む文章は、文書で使われている語彙も、語られている内容も、小学生の頃に比べて一気に難しくなります。
難しくなるのは主に論説文、評論文です。
小説文や説明文は小学6年生で読む文章と中学生になってから読む文章は、段階的に難度を高めるだけなので、自然に対応できます。

論説文や評論文は、論理的思考が抽象性や概念性を一気に高め、何を言っているのか分からない状態になってしまいがちです。も し、教科書の論説文の内容が分からないならば、あきらめずにジュニア向けの親書を読んでください。教科書で簡潔に語られている内容は、一冊をかけて長い文 章で分かりやすく書いてあるので、抽象的な文章も次第に読めるようになります。
中学生の場合、精読は教科書、問題集、参考書、高校入試の過去問で行い、多読は精読を補佐するようにさまざまなジュニア向け新書を読むといいです。

小説や随筆は、好きな本を読めばいいといいたいところですが、高校入試でよく出る小説文や随筆は、人物の心情が多く語られている、ストーリー性や事件性はあまりないものが多いです。そういったジャンルの小説を読むことを勧めます。

また、普段は、5教科の学習や部活動で、読書の時間がなかなかとれない生徒も多いでしょう。そうした場合は、夏休み、冬休み、春休みなどに読書に励んでください。特に夏休みは時間が豊富にあります。受験勉強まで十分に時間がある中学1年生、2年生の夏休みにできるだけたくさんの本を読んでください。2、3冊などと言わず、20冊を目標にして読んでみましょう。
読書によってすぐに国語の点数が伸びることはなかなかありませんが、数か月の間に必ず効果が表れます。

中学生が読解力アップのために読むべき本

中学生が、読解力アップの土台作りとして読書を行うとき、読んだほうがよい本は、随筆文、説明文、論説文、評論文です。
小説文は特に読む必要がありません。小説文は、参考書や問題集、高校入試の過去問を通して勉強すれば力が十分つきます。
中学生もまた、多読と精読を合わせて読解力を鍛えていきます。

中学生の多読

中学生は小学生と違って、多読向きの本がたくさんの種類あります。
岩波ジュニア新書…さまざまなジャンルの本があります。高校入試で国語の問題を解くさい、知っておくと文章読解に有利な知識も、岩波ジュニア新書をたくさ ん読むことで得られます。中学生と高校生のために書かれたものです。高校生向けの新書もチャレンジしてみましょう。
ちくまプリマー新書…こちらも中学生と高校生向けの本です。岩波ジュニア新書よりやや難しめのものがそろっています。
ブルーバックス…理系の本。物理、生物、地学、化学、数学それぞれの専門分野についての詳しい内容の本が多数あります。高校生、大学生、一般社会人向けで すが、中学生でも読めるものもいくつかあります。漫画で分かりやすく書いたものもあります。漫画の方を読んでも、とても役に立ちます。

中学生の小説文の精読

参考書・問題集・高校入試問題の文章…文章を丁寧に読んで問題を解いてください。国語の読解力を高めることが目的なので、問題を解くことより、文章を読む ほうに重点を置いてください。語句の意味調べは必ず行います。文章の内容が分かりづらかったら、メモをとり整理しながら読みましょう。
坊ちゃん(夏目漱石)…夏目漱石の小説は大学生が読んでも苦労します。明治?大正期に書かれた文章で漢語も多いためです。坊ちゃんは夏目漱石の作品群の中では平易なほうなのでぜひ読んでください。
幸田文…随筆文に近い文章の小説です。表現が古い分、難しいですが力がつきます。
乙一…現代作家です。ホラー小説のジャンルですが、小説の構成力、登場人物の描き方、会話、心情の変化、文章力のいずれも一級品です。

中学生の随筆文・説明文・論説文・評論文の精読

中学生の場合、随筆文と論説文の線引は明確ではないことが多いです。筆者が、自分自身の日常生活の出来事と、それへのさまざまな思いを書き綴ったのが随筆 文。筆者が自分の考えや意見を論理的に説いているのが論説文です。平易な内容の本だと筆者の想いと筆者の意見はあまり区分けがないで、随筆文と論説文の はっきりした線引きがないのです。

お勧めの本

参考書・問題集・高校入試問題の文章…小説文と同じように、文章を丁寧に読むことに主眼をおいてください。文章を読むのに時間がかかるようだったら、問題 は解かなくてもいいです。説明的文章は、難解な意味の語句が多いので、辞書は必ず使うこと。調べた意味は「意味調べノート」に書きこんでいきましょう。段 落ごとに要点をまとめることと、筆者の意見や主張をまとめると文章全体の意味がつかみやすいです。
岩波ジュニア新書・ちくまプリマー新書…多読のところでも紹介しましたが、これらの親書のうち、特定のジャンルや分野について専門性の高い本を選び丁寧に読むといいです。
森博嗣…中学入試でもよく出題される作家です。大学の工学部助教授であり小説家でもある森さんは、理科学系の読みやすい本をいくつか書いています。
中村明…『語感トレーニング??日本語のセンスをみがく55題』が高校入試でよく出題されています。中村明さんは日本語についての著作が多く、どの本もお勧めです。
本川達雄…『ゾウの時間ネズミの時間』がベストセラーになりました。生物学や動物生態学についての本を書いています。高校入試でよく出題されるのは『生物学的文明論』です。
長谷川櫂…俳句についての本が多いです。高校入試で出題されるのは『和の思想』です。
外山滋比古…中学入試、高校入試、大学入試と万遍なく出題されます。この人の本は、何冊もぜひ読んでください。国語の読解力が上がるだけでなく、物事の捉え方、思考の方法が身につき、視野も広くなります。
鷲田清一…大学入試でよく出題されます。文章が難しいですが、公立高入試でも出るので、丁寧に精読してください。
日高敏隆…中学入試と高校入試の両方でよく出題されます。論説文ではなく、説明文の力をつけたいときの一番のお勧めです。