夏休みの自由研究

1日でできる理科の自由研究「透明な氷の作り方」

「透明な氷の作り方」―理科の自由研究

氷を作る自由研究で最も人気があるのが「透明な氷の作り方」です。レストランなどで、時々見かける透き通った氷。家庭の冷蔵庫の冷凍室で氷を作ると、氷の中心に白い部分ができてしまいます。その白い部分ができないように、完全に透明な氷を作るのが「透明な氷の作り方」の自由研究です。
まず初めに氷の中心にある白い部分は何なのかを考えると、透明な氷を上手に作る方法がわかってきます。氷の中心にある白い部分は、水の中に溶けている空気や塩素ガス、不純物などです。ですから水の中から完全に空気を追い出しながら水を冷やしていけば、完全に透明な氷ができます。
水の中の空気を追い出すやり方は簡単です。水を沸騰させれば、ほとんどすべての空気が水の中から出ていきます。それでもわずかに沸騰したお湯の中に空気が残っているので、あとはお湯をゆっくりと時間をかけて冷やしていき、氷にすることで水の中の空気は完全に取り除かれます。
ゆっくりと氷を冷やす方法としては、氷を作る製氷器を床面の上にじかに置かず、製氷器と床面の間に割り箸や発泡スチロールなどを置くことです。こうするとお湯は、冷たい床によって直接冷やされないので、氷がゆっくりと作られていきます。
ゆっくりと氷を冷やす方法はほかにもあります。製氷器に沸騰したお湯を注いだあと、それをポリエチレンのビニール袋に入れ、さらにタオルでくるんで冷やす方法です。この方法でも水はゆっくりと冷えます。
冷蔵庫の温度はだいたいマイナス20度です。これよりも高い温度、マイナス5度から10度の温度で、時間をかけて作れば確実に透明な氷が作れます。
マイナス5度から10度の冷却剤になるのは、塩水です。塩を水に溶けるだけ溶かして濃い塩水を作ります。この塩水は、0度になっても凍りません。マイナス9度でも水のままです。氷屋さんが氷を作る場合は、このマイナス9度の塩水で氷を作っているのです。それと同じように、マイナス9度の食塩水を冷凍庫を利用して作り、その食塩水で水を10時間かけて作ればいいわけです。